情報処理用語-基本用語
JIS_X_0001:1994
目 次
Links †
日本工業規格
JIS X0001:1994
情報処理用語−基本用語
Glossary of terms used in information processing Fundamental terms
1 適用範囲 †
この規格は,情報処理における基本用語,定義及び対応英語について規定する。
- 備考1:この規格の対応国際規格を,次に示す。ISO/IEC 2382-1 : 1993 Information technology−Vocabulary−Part 1:Fundamental terms
- 備考2:この規格は,1993 年 11 月に第 3 版として発行された ISO/IEC 2382-1 を翻訳し,その技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。
2.分類 用語は,次のとおり分類する。 †
- (1)一般用語(01.01 参照)
- (2)情報の表現(01.02 参照)
- (3)ハードウェア(01.03 参照)
- (4)ソフトウェア(01.04 参照)
- (5)プログラミング(01.05 参照)
- (6)適用分野と末端の利用者(01.06 参照)
- (7)計算機の安全保護(01.07 参照)
- (8)データ管理(01.08 参照)
3.表記法 †
この規格は,各用語を番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。それぞれの欄における表記法及び解釈を,次に示す。
- (1)番号
- 番号は,6 個の数字によって表す。最初の 2 けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾 2けたを示す。次の 2 けたの数字は,この規格での分類を示す。最後の 2 けたは,同一分類内の一連番号を示す。
- (2)用語
- (2.1)同一の意味を示す用語が二つ以上ある場合は,表記した順に従って優先使用する。
- (2.2)用語の一部が丸括弧 ( ) で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この場合は,括弧内を省略したときとしないときの間に優先順位はない。
- (2.3)同一の用語が別の定義をもつ場合には,用語の前に(1),(2),…を付ける。
- (2.4) 類似の意味をもち,しかもその記述がほとんど同一である二つ以上の用語は,角括弧 [ ] を用い て一つにまとめて規定する。この場合,用語の欄の [ ] に対して,定義及び対応英語の欄の対応 する [ ] を採る。
- 例 次の(a)と(b)とは同じである(01.04.01 参照)。
- (a)“応用ソフトウェア[プログラム]:ある適用業務問題の解決に特有のソフトウェア[プログラム]。”
- (b)“応用ソフトウェア:ある適用業務問題の解決に特有のソフトウェア。応用プログラム:ある適用業務問題の解決に特有のプログラム。”
- (2.5)用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧 ( ) 内にそのことを示す。
- 例 “処理過程(データ処理における)”(01.01.25 参照)
- (2.6)用法を用語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示す。
- (2.7)用語の読み方を用語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示すことがある。
- (3)定義
- (3.1)文中で下線の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格に規定されていることを示す。
- (3.2)角括弧 [ ] 及び丸括弧 ( ) の使い方は,(2)と同様とする。
- (4)対応英語
- (4.1)この欄の英語は,対応国際規格に規定されている用語であって,規定されている定義と対応する。
- (4.2)角括弧 [ ] 及び丸括弧 ( ) の使い方は,(2)と同様とする。
4.情報処理用語−基本用語 †
01.01 一般用語 †
01.01.01 情報(information) †
- 事実,事象,事物,過程,着想などの対象物に関して知り得たことであって,概念を含み,一定の文脈中で特定の意味をもつもの。
01.01.02 データ(data) †
- 情報の表現であって,伝達,解釈又は処理に適するように形式化され,再度情報として解釈できるもの。備考:データに対する処理は,人間が行ってもよいし,自動的手段で行ってもよい。
01.01.03 テキスト(text) †
- 文字,記号,語,句,段落,文,表又はそれ以外の文字配置の形で表したデータであって,意味の伝達を目的と し,その解釈が読者のもつ何らかの自然言語又は人工言語の知識に本質的に基づくもの。例:用紙上に印刷又は画面上に表示した事務用の書状。
01.01.04 アクセスする(to access) †
01.01.05 情報処理(information processing) †
- 情報に対して行われる,データ処理を含む操作の体系的実施。データ通信,オフィスオートメーションなどの操作を含むことがある。
01.01.06 データ処理,DP(省略形),自動データ処理,ADP(省略形) (data processing, DP, automatic dataprocessing, ADP) †
- データに対して行われる操作の体系的実施。例 データに対する算術演算又は論理演算,データに対する併合又は整列,プログラムに対するアセンブル又はコンパイル,テキストに対する編集,分類,併合,記憶,検索,表示,印字などの操作。
01.01.07 ハードウエア(hardware) †
- 情報処理システムの物理的な構成要素の全体又は一部分。例:計算機,周辺装置。
01.01.08 ソフトウェア(software) †
- 情報処理システムのプログラム,手続き,規則及び関連文書の全体又は一部分。備考:ソフトウェアは,それを記録した媒体とは無関係な知的創作物である。
01.01.09 ファームウェア(firmware) †
- 命令の順序付けられた集合及び関連データであって,主記憶装置とは機能的に無関係な方法で記憶されるもの。通常,ROM に記憶される。
01.01.10 記憶装置,記憶機構(storage (device)) †
- データを格納し,保持し,かつ,取り出すことのできる機能単位。参考:11.01.12 と同じ。
01.01.11 メモリ(memory) †
- 処理装置及び他のすべての内部記憶装置において,命令を実行するために使用するアドレスを付けることのできる記憶空間のすべて。
01.01.12 自動(的)(automatic) †
- 指定された条件の下で,人手の介入なしに機能を果たす処理過程又は装置に関する用語。
01.01.13 自動化する(to automate) †
01.01.14 自動化,オートメーション(automation) †
- 処理過程又は装置を自動操作に置き換えること,又はその結果。
01.01.15 情報化する,機械化する †
- 計算機を使用して自動化する。(to computerize)
01.01.16 情報化,機械化 †
- 計算機による自動化。(computerization)
01.01.17 計算機の世代 †
- 製作技術に基づく計算機の歴史的な分類。例:リレー又は真空管に基づく第 1 世代,トランジ スタに基づく第 2 世代,集積回路に基づく第 3 世代。(computer generation)
01.01.18 計算機科学,情報科学,情報工学 †
- 計算機による情報処理に関連する科学技術の一分野。(computer science)
01.01.19 計算センタ,計算機センタ,データ処理センタ †
- 要員,ハードウェア及びソフトウェアを含む施設であっ て,情報処理サービスを提供するためのもの。(computer center, data processing center)
01.01.20 データ処理システム,計算機システム,計算システム †
- データ処理を行う計算機,周辺装置及びソフトウェア。(data processing system, computer system, computing system)
01.01.21 情報処理システム †
- データ処理システム及び装置であって情報処理を行うもの。事務機器,通信装置などを含む。(information processing system)
01.01.22 情報システム †
- 情報処理システムと,これに関連する人的資源,技術的資源,財的資源などの組織上の資源とからなり,情報を提供し配布するもの。(information system)
01.01.23 資源,計算機資源 †
- 要求された操作を遂行するのに必要なデータ処理システムの要素。例 記憶装置,入出力装置,処理装置,データ,ファイル,プログラム。(resource,computer resource)
01.01.24 (1)処理過程,処理 †
- 処理あらかじめ決められた事象の過程であって,その目的又は効果によって定義され,与えられた条件の下で達成されるもの。(process)
01.01.25 (2)処理過程(データ処理における),処理(データ処 理における) †
- 一つのプログラムの全体又は一部分の実行中に発生する,あらかじめ決められた事象の過程。(process (in dataprocessing))
01.01.26 構成 †
- 情報処理システムのハードウェア及びソフトウェアの編成及び相互接続の仕方。(configuration)
01.01.27 ブロック図 †
- システムの主要な部分又は機能を図記号によって表現し,それらの関係を線で結んで示した図。備考:ブロック図で表現するものは,物理的な装置とは限らない。(block diagram)
01.01.28 同期,同期式,同期的 †
- 共通のタイミング信号などの特定の事象の発生に依存する二つ以上の処理過程に関する用語。(synchronous)
01.01.29 非同期,非同期式,非同期的 †
- 共通のタイミング信号などの特定の事象の発生に依存し ない二つ以上の処理過程に関する用語。(asynchronous)
01.01.30 入力(データ) †
- 記憶又は処理のために,情報処理システム又はその一部分に入れるデータ。(input (data))
01.01.31 入力(過程) †
- 記憶又は処理のために,情報処理システム又はその一部 分にデータを入れる処理過程。(input (process))
01.01.32 入力 †
- 入力過程にかかわる装置,処理過程若しくは入出力チャネル,又はそれらに関係するデータ若しくは状態に関す る用語。備考:この用語は,文脈中で用途が明らかな場合, “入力データ” , “入力信号”又は”入力過程” の代わりに使用してもよい。(input)
01.01.33 出力(データ) †
- 情報処理システム又はその一部分が,外部に転送するデータ。(output (data))
01.01.34 出力(過程) †
- 情報処理システム又はその一部分が,外部にデータを転送する処理過程。(output (process))
01.01.35 出力 †
- 出力過程にかかわる装置,処理過程若しくは入出力チャネル,又はそれらに関係するデータ若しくは状態に関する用語。備考:この用語は,文脈中で用途が明らかな場合,“出力データ”,“出力信号”又は“出力過程”の代わりに使用してもよい。(output)
01.01.36 ダウンロードする †
- プログラムやデータを,ある計算機から,それに接続されていて,より小さな資源をもつ別の計算機へ転送する。メインフレームからパーソナルコンピュータに転送するのが典型的な例である。(to download)
0l.01.37 アップロードする †
- プログラムやデータを,ある計算機から,それに接続されていて,より大きな資源をもつ別の計算機へ転送する。パーソナルコンピュータからメインフレームに転送するのが典型的な例である。(to upload)
01.01.38 インタフェース †
- 二つの機能単位の間で共有される境界部分であって,機能に関するいろいろな特性,物理的相互接続特性,信号交換特性,その他の適当な特性によって定義されるもの。(interface)
01.01.39 データ通信 †
- データ伝送及びその調整のための規則に従って,幾つかの機能単位間でデータを転送すること。(data communication)
01.01.40 機能単位 †
- ハードウェア,ソフトウェア又はその両者からなり,指定された目的を遂行できるもの。 (functional unit)
01.01.41 オンライン †
- 計算機の制御下にある機能単位の操作に関する用語。(online, on-line)
01.01.42 オフライン †
- 計算機の主たる操作とは無関係に又はそれと並列に発生する機能単位の操作に関する用語。(offline, off-line)
01.01.43 時分割,タイムシェアリング †
- 一つの処理機構において,二つ以上の処理過程の時間を細分化して交互に配置させるようにするデータ処理システムの操作技法。(time sharing)
01.01.44 ネットワーク,網(もう) †
- ノード及びそれらを相互接続する枝の配置。(network)
01.01.45 計算機ネットワーク,コンピュータネットワーク †
- データ通信のために相互に接続されたデータ処理ノードからなるネットワーク。参考:18.02.01 と同じ。(computer network)
01.01.46 ローカルエリアネットワーク,LAN(省略形) †
- 地理的に限定された地域内にあり,利用者の構内に配置された計算機ネットワーク。備考:ローカルエリアネットワーク内での通信は,外部の規定に準拠する必要はない。しかし,ローカルエリアネットワークをまたがる通信は,外部の規定に準拠する場合もある。(local area network, LAN)
01.01.47 相互運用性 †
- それぞれの機能単位に固有な特性に関する知識を利用者がほとんど又は全く必要とせずに,各機能単位が互いに通信し,プログラムを実行し又はデータを転送する能力。(interoperability)
01.01.48 ターンキーシステム †
- 特定の利用者又は適用業務の要件にできるだけ適するように,導入時に直ちに使用でき,かつ稼働できる状態で利用者に提供されるデータ処理システム。備考:利用者データの準備作業を必要とすることもある。(turnkey system)
01.01.49 仮想(的) †
- 実在しているかのようにみえるが,その機能が他の手段によって達成される機能単位に関する用語。(virtual)
01.01.50 仮想機械,VM (省略形) †
- 特定の利用者が独占的に使用しているかのようにみえる仮想のデータ処理システムであって,その機能が実在の データ処理システムの資源を利用して実現されているもの。(virtual machine)
01.01.51 データ媒体 †
- データを内部又は表面に記録し,そこからデータを取り 出すことのできる材料。(data medium)
01.01.52 ディスク †
- 平らな円盤状で,片面又は両面でデータを読み取ったり 書き込んだりするために回転させて用いるデータ媒体。(disk)
01.01.53 ログオンする,ログインする †
- セションを開始する。(to log on, to log in)
01.01.54 ログオフする,ログアウトする †
- セションを終了する。(to log off, to log out)
01.02 情報の表現 †
01.02.01 信号 †
- データを表現するために用いられる物理量の変化。(signal)
01.02.02 離散(的) †
- 文字のように個々に区別できる要素からなるデータ,明確に区別できる有限個の値をもつ物理量又はそれらのデ ータを使用する処理過程及び機能単位に関する用語。(discrete)
01.02.03 数値(的) †
- 数によって表現されるデータ及びそのデータを使う処理 過程又は機能単位に関する用語。(numeric, numerical)
01.02.04 ディジタル †
- 数字によって表現されるデータ及びそのデータを使う処理過程又は機能単位に関する用語。(digital)
01.02.05 英数字 †
- 英字及び数字からなり,句読点などの文字も含むデータ並びにそのデータを使う処理過程又は機能単位に関する用語。(alphanumeric)
01.02.06 アナログ †
- 連続的に可変な物理量,連続的な形式で表現されたデータ及びそのデータを使う処理過程又は機能単位に関する用語。(analog)
01.02.07 記号 †
- 特定の文脈において意味をもつ概念の図的表現。(symbol)
01.02.08 ビット,2進数字 †
- 2進記数法で用いられる 0 又は 1 のいずれかの数字。(bit,binary digit)
01.02.09 バイト †
- 一つの単位として扱われる複数のビットからなる列。通常,1 文字又は文字の一部分を表現するもの。備考1. 1バイト中のビット数は,データ処理システムごとに一定である。2. 1バイト中のビット数は,通常,8 である。(byte)
01.02.10 8ビットバイト, オクテット †
- 8ビットからなるバイト。(8-bit byte,octet)
01.02.11 文字 †
- データを表現,構成又は制御するために用いられる要素の集合の構成単位。 備考 文字は,次のように分類される。(character)
01.02.12 数字 †
- 負でない整数を表す文字。例:16 進記数法における 0-9 及び A-F の文字の一つ。(digit, numeric character)
01.03ハードウェア †
01.03.01 処理装置,中央処理装置,CPU(省略形) †
- 一つ以上の処理機構と内部記憶装置とからなる機能単位。備考:処理機構と処理装置は,同義に使用されることがある。(processing unit,central processing unit,CPU)
01.03.02 メインフレーム †
- 通常,計算センタ内に設置される計算機であって,広範囲の能力及び大規模の資源をもち,他の計算機を接続することによって,その資源を共用できるもの。(mainframe)
01.03.03 計算機,コンピュータ †
- 算術演算及び論理演算を含む大量の計算を,人手の介入なしに遂行することのできる機能単位。備考1:計算機は,独立した単体であっても,相互に接続された幾つかの装置で構成されていてもよい。備考2:情報処理の分野では,計算機は,ディジタル計算機のことをいう。(computer)
01.03.04 ディジタル計算機,ディジタルコンピュータ †
- 内部的に記憶されたプログラムによって制御される計算機であって,プログラムの全体又は一部分,及びそのプログラムの実行に必要なデータの全部又は一部分のために共通の記憶装置を使用することができ,利用者の作成したプログラム又は利用者の指定したプログラムを実行し,ディジタルに表現した離散的データに対して算術演算及び論理演算を含む利用者の指定した操作を行い,実行時に自分自身の内容を変更するプログラムを実行できるもの。備考 情報処理の分野では,計算機は,ディジタル計算機のことをいう。(digital computer)
01.03.05 アナログ計算機,アナログコンピュータ †
- 他のシステムの振る舞いに類似した動作をする計算機であって,アナログデータを受け入れ,処理し,作成するもの。(analog computer)
01.03.06 ハイブリッド計算機,ハイブリッドコンピュータ †
- アナログ計算機の構成要素とディジタル計算機の構成要素とを含み,アナログ−ディジタル変換器とディジタル−アナログ変換器とによって,両者を統合した計算機。備考:ハイブリッド計算機は,アナログデータ及び離散的データの両方を使用したり作成したりする。(hybrid computer)
01.03.07 周辺装置 †
- 特定の計算機によって制御され,かつその計算機と交信できる装置。例:入出力装置,外部記憶装置。(peripheral equipment)
01.03.08 処理機構,プロセッサ †
- 計算機において,命令を解釈し,実行する機能単位。備考:処理機構は,少なくとも一つの命令制御装置と,算術論理演算装置とからなる。(processor)
01.03.09 マイクロプロセッサ †
- 1 個又は数個の集積回路にその要素が集約されている処理機構。(microprocessor)
01.03.10 集積回路,IC (省略形),チップ,マイクロチップ †
- 相互接続された電子的な素子からなる半導体材料の小片。(integrated circuit, IC, chip, microchip)
01.03.11 端末 †
- システム又は通信ネットワーク内の機能単位であって,データを入れたり取り出したりするもの。(terminal)
01.03.12 利用者端末 †
- 利用者が計算機と交信することのできる端末。(userterminal)
01.03.13 ワークステーション †
- 通常,専用の計算能力をもち,利用者向きの入力装置及び出力装置をもつ機能単位。例:プログラム式端末,非プログラム式端末,独立に動作するマイクロコンピュータ。(workstation)
01.03.14 プログラム式端末,知的端末 †
- 外部からデータ処理能力を与えることのできる利用者端末。(programmable terminal,intelligent terminal)
01.03.15 非プログラム式端末 †
- 外部からデータ処理能力を与えることのできない利用者端末。(nonprogrammableterminal,dumb terminal)
01.03.16 表示端末,VDT(省略形),表示装置,VDU(省略形) †
- 表示画面をもち,通常,キーボードなどの入力機器を接続した利用者端末。(video display terminal,visual display terminal,VDT,visual display unit,VDU)
01.03.17 計算機 †
- 特に算術演算を行うのに適した装置であって,個別の演算又は一連の演算を始めるために人手の介入を必要とするもの。プログラムを記憶している場合には,それを変更するためにも,人手の介入を必要とする。備考:計算機は,計算機の機能の幾つかを遂行するが,その操作には通常,頻繁に人手の介入を必要とする。(calculator)
01.03.18 計算機アーキテクチャ,コンピュータアーキテクチャ †
- 計算機の論理構造及び機能特性であって,ハードウェア 及びソフトウェア構成要素の間の相互関係を含むもの。(computer architecture)
01.03.19 マイクロコンピュータ,マイクロ計算機 †
- 記憶装置及び入出力装置を含み,処理装置が一つ以上のマイクロプロセッサから構成されるディジタル計算機。(microcomputer)
01.03.20 パーソナルコンピュータ,パーソナル計算機,PC(省略形) †
- 個人が単独で使用することを主目的としたマイクロコンピュータ。(personal computer, PC)
01.03.21 ポータブルコンピュータ,携帯用計算機 †
- 複数の場所で使用できるように,持ち運びを可能としたマイクロコンピュータ。(portable computer)
01.03.22 ラップトップコンピュータ,ラップトップ計算機 †
- 人間のひざに乗せて操作できる程度に小型で軽量のバッテリー式ポータブルコンピュータ。(laptop computer)
01.03.23 ミニコンピュータ †
- 機能的にみて,マイクロコンピュータとメインフレームとの中間に位置するディジタル計算機。(minicomputer)
01.03.24 スーパコンピュータ †
- 科学的及び工学的な問題を解くための計算機であって,その時点で得られる最高の処理速度をもつとして分類さ れるもの。(supercomputer)
01.03.25 ミップス,MIPS(省略形) †
- 命令を毎秒百万回実行することに相当する処理性能の測度の単位。)MIPS,millions of instructionsper second)
01.03.26 メガフロップス,MFLOPS(省略形) †
- 浮動小数点演算を毎秒百万回実行することに相当する処理性能の測度の単位。備考:この測定単位は,計算機の科学的応用において使用される。(MFLOPS,megaflops)
01.03.27 接続性 †
- システム又は装置を変更しないで他のシステム又は装置に接続できる能力。(connectivity)
01.04ソフトウェア †
01.04.01 応用ソフトウェア[プログラム] †
- ある適用業務問題の解決に特有のソフトウェア[プログラム]。例:表計算プログラム。(application software[program])
01.04.02 システムソフトウェア,基本ソフトウェア †
- 応用ソフトウェアの実行を支援するが応用には依存しないソフトウェア。例:オペレーティングシステム。(system software)
01.04.03 支援ソフトウェア[プログラム] †
- 他のソフトウェアの開発,保守又は使用を援助するが応用に依存しない,はん(汎)用的な機能を提供するソフトウェア[プログラム]。例:コンパイラ,データベース管理システム。(support software [program])
01.04.04 システム文書 †
- 情報処理システムに関して,要件,能力,限界,設計,操作,運用及び保守について記述した文書の集まり。 (system documentation)
01.04.05 ソフトウェアパッケージ †
- はん(汎)用の応用又は機能のための文書のそろったプログラム一式であって,複数の利用者に供給されるもの。備考:特定の応用向けに変更できるソフトウェアパッケージもある。 (software package)
01.04.06 可搬性(プログラムの) †
- プログラムを,異なった言語に変換することなく,かつ,ほとんど又は全く変更することなく,異種のデータ処理システム上で実行できるプログラムの能力。(portability (of a program))
01.04.07 ソフトウェア工学 †
- ソフトウェアの運用・保守を容易にし,かつ,その品質を向上させるためのソフトウェアの設計・実現・試験・文書化に対する科学的及び技術的な知識・手法・経験の体 系的な適用。(software engineering)
01.04.08 オペレーティングシステム,OS(省略形) †
- プログラムの実行を制御するソフトウェアであって,資源割振り,スケジューリング,入出力制御,データ管理などのサービスを提供するもの。備考:オペレーティングシステムは,ソフトウェアが主体であるが,部分的にハードウェア化することも可能である。(operating system, OS)
01.05プログラミング †
01.05.01 プログラム,計算機プログラム,コンピュータプログラム †
- アルゴリズムの記述に適した人工言語の規則に従った構文上の単位であって,ある機能若しくは仕事の遂行又は問題の解決のために必要な宣言と文若しくは命令とから構成されるもの。(program,computer program)
01.05.02 プログラムする †
- プログラムを設計し,記述し,修正し,試験する。(to program)
01.05.03 プログラミング †
- プログラムの設計,記述,修正及び試験。(programming)
01.05.04 ルーチン †
- 一般的に又は頻繁に使用されるプログラムの全体又は一部分。(routine)
01.05.05 アルゴリズム,算法 †
- 問題を解くためのものであって,明確に定義され,順序付けられた有限個の規則からなる集合。(algorithm)
01.05.06 流れ図 †
- 処理又はプログラムの設計又は文書化のために処理過程,又は問題の各段階の解法を図形表現したものであって,適切な注釈が付けられた幾何図形を用い,データ及び制御の流れを線で結んで示した図。(flowchart,flow diagram)
01.05.07 デバッグする †
- プログラム中の誤りを検出し,場所を突き止め,取り除く。(to debug)
01.05.08 自然言語 †
- 明示的に規定された規則ではなく,慣用に基づいた規則をもつ言語。例:日本語,英語。 (natural language)
01.05.09 人工言語 †
- 使用前から規則が明示的に確立されている言語。例:Fortran,Cobol。(artificial language)
01.05.10 プログラム言語,プログラミング言語 †
- プログラムを表現するための人工言語。(programming language)
01.06 適用分野と末端の利用者 †
01.06.01 シミュレーション,模擬(実験) †
- 物理的又は抽象的なシステムの選択された動作特性を表現するために,データ処理システムを用いること。例:様々な速度,温度及び空気圧における翼のまわりの空気流を表現すること。(simulation)
01.06.02 エミュレーション †
- あるデータ処理システムを模倣するために,別のデータ処理システムを使い,模倣されるシステムと同じデータを受け入れ,同じプログラムを実行し,同じ結果を出すこと。備考:エミュレーションは,通常,ハードウェア又 はファームウェアによって行われる。(emulation)
01.06.03 情報検索,IR(省略形) †
- 記憶されたデータから,与えられた主題に関する情報を取り出す行動,方法及び手順。(information retrieval, IR)
01.06.04 ハードコピー,印字出力 †
- 印字装置,作図装置などの出力装置で作成された表示画像の永続的な出力であって,持ち運びができるもの。(hard copy)
01.06.05 ソフトコピー †
- 聴覚的又は視覚的な形での情報の永続的でない出力。例:ブラウン管への表示。(soft copy)
01.06.06 メニュー †
- データ処理システムが表示する選択項目の一覧であって,起動する動作を利用者がそこから選択できるもの。(menu)
01.06.07 プロンプト,入力要求(メッセージ) †
- 利用者の応答を要求するために,プログラムが送出する視覚的又は聴覚的なメッセージ。(prompt)
01.06.08 コンピュータグラフィクス,(計算機)図形処理,CG(省略形) †
- 計算機によって,画像を生成,操作,記憶及び表示するための方法及び技法。(computer graphics)
01.06.09 オフィスオートメーション,OA(省略形) †
- 情報処理システムによる事務活動の統合化。備考:この用語は,テキスト,画像及び音声の処理及び伝達を含む。(office automation,OA)
01.06.10 テキスト処理,ワードプロセシング †
- テキストに対し入力,編集,整列,併合,検索,記憶,表示,印字などのデータ処理を施すこと。(text processing,word processing)
01.06.11 互換性 †
- 機能単位の能力であって,著しい変更を伴わないで,特定のインタフェースの要求に適合できる能力。(compatibility)
01.06.12 人工知能,AI(省略形) †
- 計算機科学の一分野であって,推論,学習,自己改善など,通常,人間的な知能に関する機能を遂行するデータ処理システムの開発を目的とするもの。(artficial intelligence, AI)
01.06.13 ロボット工学,ロボティクス †
- ロボットを設計,構築及び利用することに関する技術。(robotics)
01.06.14 計算機支援 †
- 作業の一部分を計算機によって遂行する技術又は処理過程に関する用語。(computer-aided, computer-assisted, CA)
01.06.15 電子出版 †
- 計算機の支援によるテキスト,図形及び絵画を含む,印刷品質並みの文書の制作。 備考:電子出版は,応用プログラムを利用して行う場合もあるが,専用システムを使用して行う場合もある。(electronic publishing, computer-aided publishing, computer-assisted publishing)
01.06.16 卓上出版,DTP(省略形) †
- マイクロコンピュータを利用した電子出版。(desktop publishing)
01.06.17 電子メール †
- 計算機ネットワーク上で,利用者端末相互間で伝達され るメッセージ形式の通信。(electronic mail, E mail)
01.06.18 知識ベース †
- データベースの一種であって,推論規則と,特定の分野 における人間の経験に関する情報及び専門知識とを備えたもの。備考:自己改良能力をもつシステムの場合には,知識ベースが過去に体験した諸問題の解から得た情報ももつ。(knowledge base, K-base)
01.06.19 エキスパートシステム,専門家システム †
- 計算機システムであって,専門家の作成した知識ベースから推論を行うことによって,特定の分野又は応用領域の問題を専門的に解決するもの。備考1:この用語は,通常,専門的な知識をもつことを強調しているが,知識ベースと同義語に用いられることがある。備考2:自分の知識ベースを改良し,過去の問題の経験に基づいて新たな推論規則を作成できるエキスパートシステムもある。(expert system,ES)
01.06.20 画像処理 †
- データ処理システムを利用して,画像の生成,走査,解析,改善,解釈又は表示を行うこと。(image processing,picture processing)
01.06.21 表計算プログラム,スプレッドシートプログラム †
- 行及び列の形に配置した要素(セル)の表を表示するプログラムであって,一つの要素の内容を変更すると,要素相互間で利用者があらかじめ定義した関係に基づいて再計算ができるもの。(spreadsheet program)
01.06.22 ユーザフレンドリ,利用者親近(的) †
- 人間が利用しやすく,かつ,便利なことに関する用語。(user-friendly)
01.07計算機の安全保護 †
01.07.01 データ保護 †
- 故意若しくは偶然によって権限をもたずに行われる,データの開示,変更又は破壊に対する適切な管理的,技術的又は物理的な防御手段の実現。(data protection)
01.07.02 計算機犯罪,コンピュータ犯罪 †
- ハードウェア,ソフトウェア若しくはデータの使用,変更又は破壊によって引き起こされる犯罪。(computer crime)
01.07.03 (1)ハッカー †
- 高度の技術をもった計算機のマニア。(hacker)
01.07.04 (2)ハッカー †
- 高度の技術をもった計算機のマニアであって,知識と手段を駆使して,保護された資源に権限をもたずにアクセスする人。(hacker)
01.07.05 ソフトウェア盗用 †
- ソフトウェア製品を不法に使用したり,複写したりすること。(software piracy)
01.08 データ管理 †
01.08.01 情報管理 †
- 情報処理システムにおいて,情報の取得,分析,保存,検索及び配布を制御する機能。(information management)
01.08.02 データ管理 †
- データ処理システムにおいて,データに対するアクセス,データの記憶の実行・監視及び入出力操作の制御をする機能。(data management)
01.08.03 アクセス法 †
- データの使用,データの読取り若しくは書込みのための 記憶装置の使用,又はデータ転送のための入出力チャネルの使用を可能にする技法。例:直接アクセス法,索引付きアクセス法,順アクセス法。(access method)
01.08.04 データバンク †
- 利用者が参照できるように構成された,特定の事柄に関するデータの集合。(data bank)
01.08.05 データベース †
- 複数の適用業務分野を支援するデータの集まりであって,データの特性とそれに対応する実体との間の関係を記述した概念的な構造に従って編成されたもの。(database)
01.08.06 ファイル †
- 一つの単位として記憶又は処理される,レコードからなる名前の付いた集合。(file)
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